MEO・依頼のしかた
MEO代行に 依頼する前に、
決めて おく 5つのこと
任せると決めたあと、多くの方が最初にすることは権限を渡すことです。ところが、あとから困るのはたいてい渡す前に決めていなかったことのほうでした。決めておくのは5つだけです。
先に結論。任せてうまくいかなかったお店の多くは、依頼先を間違えたのではなく、渡す前に決めることを決めていなかっただけでした。決めるのは5つ——渡す権限の段、任せる範囲、成果の数え方、止める条件、終わった日に残るもの。この5つは、どこへ頼んでも同じように必要です。紙1枚に書いて、依頼先と読み合わせるだけで済みます。
この記事は、ウェルネス店舗のMEO対策の子記事です。あちらが「これから自分で整える人」に向けたものであるのに対して、こちらは外に任せると決めた人のためのページです。
まだ任せるかどうかを迷っている段階なら、先に自分でやるか、外注するかを読んでください。費用の考え方(月額固定型と成果報酬型の違い、内訳の見方)はMEO対策の運用代行のページにまとめてあります。この記事では金額の話はしません。金額が決まったあとに残る、条件の話だけを書きます。
なおこの記事は「集客と運用の整え方」にしぼって書いています。施術の内容や体の悩みへの効き方には触れません。整骨院・整体院・鍼灸院の広告にはルールがあり、効果をうたう表現は使えないためです。また、ここに書いた手順と画面は2026年8月時点のものです。Googleの仕様は変わるため、実際の画面表示が違う場合はそちらが正になります。
読む前の分岐
この記事は 「任せると 決めた人」 向け
地図まわりのご相談は、いま置かれている状態で読む先が変わります。任せる話に入る前に、ご自身がどこにいるかだけ確かめてください。
そもそも地図に自店が出てこない
まだ任せる段ではありません。出ていない状態には5つの別々の原因があり、処方が違います。地図に出てこないときの切り分け方へ。
整えたのに、数字が動かない
どの段で止まっているかが分からないまま任せると、依頼先も同じところで迷います。先にMEOが上がらないときの切り分け方で、詰まっている段を1つに絞ってから相談してください。
ある時期から、急に落ちた
落ちている最中に慌てて任せると、原因がもう1つ増えます。順位が落ちたときの原因の見つけ方で、落ちた日を先に決めてください。
手が回らないので、任せると決めた
この記事です。ここから先は、どこへ頼むかを選んだあと、契約の前に決めておくことだけを書きます。
任せる理由は「時間がないから」で十分です。地図の運用は、一度整えたら終わりではなく、写真・投稿・口コミへの返信を毎月続ける仕事です。続かないことが分かっているなら、続けられる形にするのが正しい判断で、そこに後ろめたさは要りません。ただ、任せた先で何が起きるかは、渡す前に決めた条件でほとんど決まります。
決めること①
どの権限を、 どこまで 渡すか
ここがいちばん取り返しのつきにくいところです。Googleビジネスプロフィールの権限には段があり、渡す段によって、相手にできることが変わります。「アカウントを渡す」のひとことで済ませないでください。
覚えていただきたいのは1点だけです。運用の作業は、管理者の段でできます。写真を足す、投稿を出す、営業時間を直す、口コミに返信する——毎月やることは、すべてこの範囲です。だから、外へ渡すのは管理者までで足ります。
オーナーの段は、他の人に権限を与えたり、外したりできる段です。つまりこの段を渡すと、相手が自分を外せる形を、こちらから作ってしまうことになります。ふだんは何も起こりません。効いてくるのは関係がこじれたときだけで、そしてこじれるときはたいてい、うまくいっていないときです。
「オーナー権限でないと作業できません」と言われたら。頭から疑う必要はありません。ただ、どの作業のためにその段が必要なのかを、具体的に聞いてみてください。理由が説明できることもあります。その場合でも、自店のオーナーの段を手放す必要はありません——オーナーの段は複数の人が持てるので、相手にも持ってもらいながら、自分も持ち続けることができます。
段取り
権限を 渡す前に、 やって おく3つ
渡してからでもできますが、渡す前のほうが早く終わります。とくに1つ目は、あとから見ると必ず驚きます。
1|いま誰が権限を持っているかを、一覧で見る
プロフィールの管理画面から、権限を持っている人の一覧が見られます。開業を手伝ってくれた方、前に依頼していた会社、辞めたスタッフ——身に覚えのないアカウントが残っていることが、実際によくあります。新しい依頼先を足す前に、使われていない権限を外しておいてください。ここを飛ばすと、あとで情報が書き換わったときに、誰の手によるものか分からなくなります。
2|いまの状態を、記録として残す
店名・住所・電話番号・カテゴリ・営業時間・説明文を、渡す前の状態のまま控えておきます。画面の写真でかまいません。何かが変わったときに、変わる前がどうだったかを言えるのは自分だけです。数字も同じで、渡す直前の月の表示回数などを控えておくと、あとで「始める前と比べてどうか」が言えるようになります。
3|自分のアカウントで、ログインできることを確かめる
意外と多いのが、プロフィールが古い個人アカウントに紐づいていて、そのパスワードが分からないという状態です。このまま先へ進むと、いざ権限を外したいときに何もできません。渡す前に、自分のアカウントでログインできること、そして登録してある連絡先のメールアドレスが今も受け取れるものであることを確かめてください。
なお、そもそもオーナーの確認が終わっていない、あるいは他の人にオーナーを取られている場合は、権限を渡す前にそちらを解決する必要があります。手順は地図に出てこないときの切り分け方にまとめました。
決めること②
任せる範囲と、 自店に 残す仕事
「MEOをお願いします」だけで始めると、あとで必ず食い違います。MEOという言葉が指す範囲は、依頼する側と受ける側で違うからです。作業の単位まで下ろして分けてください。
分け方の基準は「難しいかどうか」ではなく、現場にいないと書けないかどうかです。写真の加工や投稿の作成は外でもできますが、来店されたお客様との具体的なやりとりは、その場にいた人しか知りません。
任せやすいもの
プロフィールの初期整備(カテゴリ・営業時間・説明文・サービスの登録)、写真の選定と加工、投稿の作成と公開、毎月の数字の集計。手順が決まっていて、現場の情報が要らない作業です。ここは外に出すほど楽になります。
半分ずつにするもの
口コミへの返信と、写真の撮影。返信は下書きを外で作り、固有の一文を現場が足す形がいちばん続きます。撮影も、構図の指示は外から出せますが、シャッターを切れるのは現場だけです。丸ごと外に出すと、そこだけ急に他人の言葉になります。
自店に残すもの
オーナーの段の権限、営業に関する事実(営業時間の変更・臨時休業・メニューの改定)、そして低い評価が付いたときに、どう向き合うかの方針。ここは委任できません。とくに最後の1つは、読む人がいちばん見ているところです。
紙に書くときの粒度。「口コミ対応」ではなく「星4〜5の返信は先方が下書き→当店が確認して公開/星1〜3は当店が下書き→先方が表現を整える」まで下ろします。ここまで書いておくと、始まってから「そこまでやると思っていなかった」がほぼ起きません。時間はかかりません。読み合わせて15分です。
決めること③
何を 「成果」と 数えるか (1つだけ)
これを決めずに始めると、毎月届くものが「作業の一覧」になります。投稿を4本出しました、写真を8枚足しました、と書いてあるけれど、続けるべきか止めるべきかは分からない——という状態です。
避け方は単純で、今いちばん動かしたい数字を1つだけ決めて、双方で共有しておくことです。1つだけ、というところが肝心です。3つ並べると、毎月どれかは上がっているので、いつまでも判断できません。
まだ地図でほとんど見られていないなら → 表示回数
そもそも見られていない段階で、来店数を成果に置いても動きません。まず見られる状態を作るのが先です。
見られてはいるが、選ばれていないなら → 経路案内や通話などの行動
表示は出ているのに反応が無いときは、口コミ・写真・情報の充実といった「選ばれ方」の側に手が要ります。数えるのは表示ではなく、実際に起きた行動のほうです。
商圏で明確に競っているなら → 特定の検索での見え方
この場合だけ、順位に近いものを成果に置く意味があります。ただしどの検索語での見え方かを、先に文字にしておくこと。決めていないと、あとから都合の良い検索語で語られてしまいます。
どれを選ぶにしても、比べるのは自店の前の月です。業種の平均値や、近隣の他店との比較は判断材料になりません。商圏の条件が違うので、同じ数字でも意味が変わるからです。この考え方はMEOが上がらないときの切り分け方で、4つの数字の読み方として詳しく書きました。
上位表示を保証する、という話が出たら。地図の順位は、仕組みのうえで保証できるものではありません。まわりのお店との相対的な位置で決まり、その相手はこちらで動かせないからです。保証をうたう手法は、規約に触れるやり方に寄っていきやすく、効果が無効になったり、プロフィールが止まったりする側のリスクを抱えます。成果は「保証」ではなく「何を、いつまでに、どれだけ動かすことを目指すか」で置いてください。
決めること④
止めるときの 条件を、 始める前に
いちばん決めにくく、いちばん効くのがこれです。始める前に決めておけば数字の話で済むものが、あとから持ち出すと感情の話になります。
地図の運用は、積み上げで効いてくる面があります。だから、数週間で判断できないのは事実です。一方で、判断できない期間が長すぎると、うまくいっていない状態のまま時間だけが過ぎます。この2つを両立させる方法は1つで、期間の途中に「一度見直す日」を置いておくことです。
見直す日を1日、決める
「そのうち一度見ましょう」は来ません。何月何日に見ると決めて、双方の予定に入れてください。その日に見るのは、③で決めた数字ひとつだけです。
その日に「何が起きていなければ見直すのか」を書く
数値の線引きが難しければ、「動いていなければ、やり方を変える」でも十分です。大事なのは水準の厳しさではなく、見直すという行為が予定に入っていることのほうです。
「見直す」は「止める」だけではない
選択肢は3つあります——続ける/やり方を変える/止める。やり方を変えるが選べるようにしておくと、見直しの会話が対立になりません。実際にいちばん多いのも、この真ん中です。
契約の期間そのものについては、長さの善し悪しよりその長さが何のために必要なのかを聞いてみてください。理由が「積み上げに時間がかかるから」なら妥当ですし、その場合でも、途中に見直しの日を置くことは妨げになりません。見直しの日を置くことを断られたときだけ、少し立ち止まるのがよいと思います。
決めること⑤
終わった日に、 何が 手元に 残るか
ここを決めていなかったために、乗り換えのたびにゼロから積み直しているお店があります。残るものと、残らないものは、はっきり分かれています。
放っておいても残るもの
Googleビジネスプロフィールそのもの、積み上がった口コミ、公開済みの写真と投稿。これらはプロフィールに紐づいているので、担当者が変わっても消えません。オーナーの段を自店で持っていれば、前の担当の権限を外すだけで引き継げます。①を守っていれば、ここは自動的に守られます。
決めておかないと、残らないもの
撮影した写真の元データ(公開されているのは縮小されたもので、元の大きさのものは撮った側にあります)。投稿してきた文章の原稿。そして毎月どの数字がどう動いたかの記録——これがいちばん失われやすく、いちばん惜しいものです。何を試して何が効いたかの履歴は、次の依頼先にとっても価値があります。
対処は簡単です。この3つを、自店からも見られる場所に置いてもらう。共有のフォルダでも、表計算のファイルでもかまいません。毎月そこへ足していってもらう形にしておけば、終わった日に何も言わなくても残ります。始まる前に頼めば、たいていの依頼先は応じます。始まってから頼むと、手間として交渉になります。
「終わるときの話を、始める前にするのは失礼ではないか」と気にされる方がいます。むしろ逆です。残る形を先に決めておける相手は、そのあとの毎月の報告も具体的になります。ここを嫌がられなかったこと自体が、選んだ相手についての情報になります。
言葉のずれ
よくある 行き違い
どちらかが悪いのではなく、同じ言葉が別のものを指していただけ、というのがほとんどです。契約前の読み合わせで、この3つだけ確かめておくと減ります。
「毎月更新します」
何を更新するのかが人によって違います。投稿を出すことなのか、写真を足すことなのか、情報を見直すことなのか。更新の中身と、月あたりの本数まで確かめてください。
「レポートをお出しします」
作業の一覧なのか、数字の推移なのかで、価値がまったく違います。ほしいのは3つです——決めた数字が前月とどう動いたか/その月に何を変えたか/次に何を試すか。数字が動かなかった月に、動かなかったと書いてあるレポートは信頼できます。
「口コミを増やします」
ここは中身を必ず確かめてください。対価と引き換えにお願いする、良い評価の人にだけ声をかける、代わりに書く——これらは規約に反しますし、景品表示法の問題にもなります。正しいのは、来店された方へ自然にお願いする動線を整えることのほうです。集め方と返信の型は口コミの増やし方と返信のコツにまとめました。
注意
やっては いけない 渡し方
共通しているのは、どれも「戻れなくする」行為だということです。うまくいっている間は問題になりません。
自分のIDとパスワードを、そのまま教える
権限は、相手のアカウントを招待して渡すものです。ログイン情報の共有は、誰がいつ何をしたのかが残らなくなるうえ、終わったときに外すこともできません。招待して渡し、終わったら外す。これだけです。
先方に新しくプロフィールを作ってもらう
既にあるのに新しく作ると、同じ店舗が二重に登録された状態になり、両方が正しく扱われなくなることがあります。積み上がった口コミも、新しいほうには付いてきません。既にあるものへ権限を足すのが正しい手順です。
メールアドレスや電話番号を、先方のものに差し替える
連絡が届く先が自店でなくなると、Googleからの通知も、お客様からの反応も、こちらで把握できなくなります。連絡先は自店のものにしておく——これは運用の効率より優先します。
終わったあと、権限を外し忘れる
実際にいちばん多いのがこれです。悪意が無くても、権限が残っていれば操作はできてしまいます。契約が終わった日に、権限の一覧を開いて外す——ここまでを、終わりの手続きに入れておいてください。
まとめ
5つを、 1枚に する
難しいことは何も書きません。この5行が埋まっていれば、それが契約前の確認書になります。
①権限 先方に渡すのは( )の段。オーナーの段は当店が持つ。終了時に外す。
②範囲 先方がやるのは( )。当店が続けるのは( )。口コミ返信の線引きは( )。
③数字 今期いちばん動かすのは( )。前月比で見る。
④見直し ( 月 日)に一度見る。動いていなければ、続ける/変える/止めるを決める。
⑤残るもの 写真の元データ・投稿の原稿・数字の記録は( )に置き、当店からも見られるようにする。
この5行を渡して嫌がられることは、まずありません。むしろ、受ける側にとっても、あとから揉めない条件がそろっている状態なので歓迎されます。読み合わせにかかるのは15分ほどです。その15分が、あとの数ヶ月を変えます。
逆に言えば、この5つが埋まらないまま始まった契約は、うまくいっているうちだけ問題が見えません。止まったとき、変えたいとき、終わるときに、一度に出てきます。
FAQ
よく ある ご質問
代行にはオーナー権限を渡さないといけませんか?
口コミへの返信まで任せてしまって大丈夫でしょうか?
毎月のレポートは、何が書いてあれば良いのでしょうか?
契約期間の縛りがある場合、どう考えればいいですか?
別の会社へ乗り換えるとき、何が引き継げますか?
Knotlasの場合は、どうしているのですか?
この記事を書いた人
守屋 大地|Knotlas(ノットラス)代表
整骨院をはじめとする身体系ウェルネス専門の集客・運用パートナー。Googleマップ・口コミ・SNS・AI検索という「新規の入口」と、LINEでの「再来店」を、AIを使って一つの運用にまとめています。任せる側の条件は、受ける側にとっても揉めない条件です——だからこの5つは、こちらから先にお出ししています。 運営者情報
渡す権限と、 残るものを 一緒に 決める
5つの決め方はこの記事にすべて書きました。難しいのはその先、いまのお店の状態だと、どれを成果に置くのが正しいかを決めるところです。ここは表示回数や口コミの積み上がり方を実際に見ないと出てきません。無料相談では、いまのプロフィールを一緒に開いて残っている権限を洗い出し、今期に動かす数字を1つ決めるところまでやります。私たちに頼まない場合でも、そのまま他社さんへお持ちいただける形でお渡しします。
渡す権限と、残るものを決める→
