MEO・Googleマップ

MEOが上がらないときの、
切り分け方

設定は済ませた。写真も入れた。投稿も続けている。それでも順位が動かないし、来店も増えない——このとき足りないのは、たいてい施策の量ではありません。打った手の宛先がずれているだけのことが多いのです。まず4つの数字で、どこが詰まっているかを決めます。

先に結論。「やっているのに上がらない」の正体は、多くの場合施策不足ではなく、打ち手の宛先が順位に向いていないことです。まず表示・クリック・通話・経路の4つの数字を出し、どの段で落ちているかを1つだけ決めてから手を打ちます。段が決まる前に施策を足すと、効いたかどうかが永久に分かりません。

この記事は、ウェルネス店舗のMEO対策の子記事です。あちらが「これから整える人」向けの設定と運用の順番なのに対して、こちらは「整えて数ヶ月やってみたが、動いていない人」のためのページです。設定がまだの場合は、先に親記事から読んでいただくほうが早く進みます。

なお「ずっと横ばい」ではなく「ある日から明らかに落ちた」のであれば、この記事ではありません。その場合は詰まっている段を探すより、落ちた日を1日に特定して、その前後だけを疑うほうが早く着きます。→ Googleマップの順位が落ちたときの原因の見つけ方

なおこの記事は「集客と運用の整え方」にしぼって書いています。施術の内容や体の悩みへの効き方には触れません。整骨院・整体院・鍼灸院の広告にはルールがあり、効果をうたう表現は使えないためです。

原因の見立て

なぜ「やっているのに動かない」が起きるのか

地図の運用でできることは、大きく2つの箱に分かれています。見つけてもらう(順位)ための箱と、見つけたあとに選んでもらう(クリックから先)ための箱です。止まっている店舗ほど、片方の箱だけを一生懸命回していることが多いのです。

投稿・写真・口コミへの返信は、続けるほど「ちゃんと運営されている店だ」と伝わります。ただ、それは主に見つけたあとの箱で効く仕事です。一方で順位のほうは、Googleが公式に「関連性・距離・知名度」の3つで決まると説明しています。ここで自分の手で動かせるのは、実態に合ったカテゴリや正確な基本情報(関連性)と、口コミやサイトからの評判の積み上がり(知名度)で、距離は動かせません

つまり「投稿を毎週やっているのに順位が動かない」は、やり方が下手なのではなく、順位の箱に手が入っていないという話であることがほとんどです。逆に「順位は上がったのに来店が増えない」なら、順位の箱ばかり触って、選ばれる側の箱が放置されているということになります。どちらの箱が細いのかは、感覚では分かりません。数字で決めます。

現在地を出す

まず見る、4つの数字

Googleビジネスプロフィールの[パフォーマンス]から見られます。オーナー確認が済んでいて、プロフィールに紐づくGoogleアカウントでログインしていることが条件です。上部で期間を選んで[適用]すると、その期間の数字が出ます。

見るのは次の4つだけで十分です。多くの指標を並べるほど、どこが詰まっているか分からなくなります。

  1. プロフィールが表示された回数——地図や検索の一覧に、自店が並んだ回数。ここが細ければ、そもそも見つかっていません。
  2. ウェブサイトへのクリック——一覧から自店を選んで、サイトまで来た数。並んだうえで選ばれたかどうかです。
  3. 通話——プロフィールから電話をかけた数。行動に移った直前の段です。
  4. ルートの検索——道順を調べた数。来店にいちばん近い数字で、地図運用では最重要です。

この4つは順番に細くなっていく漏斗です。表示があって、その一部がクリックになり、さらにその一部が通話やルート検索になる、というように上から下へ落ちていきます。だからどこで急に細くなっているかを見れば、詰まっている場所が決まります。

期間の取り方を毎回そろえてください。先月は30日、今月は7日、では比べられません。「毎月1日に、直近30日で出す」のように1つ決めて、それを変えないことが、数字を使ううえでいちばん効く工夫です。

切り分け

落ち方で、詰まりの正体が決まる

4つの数字を並べたら、いちばん急に細くなっている場所を1つだけ選びます。複数選ばないでください。同時に2つ手を打つと、どちらが効いたのか分からなくなります。

4つの数字から詰まりを切り分ける木 表示・クリック・通話とルート・来店の4段を上から順に見て、どこで細くなっているかによって当てる打ち手が変わることを示す図。表示が細ければ順位の箱、クリックが薄ければ選ばれ方の箱、通話や経路が出なければ動きやすさの箱、すべて出ているのに来店が増えなければ地図の外を見る。 見ている数字 細ければ、ここを触る ① 表示された回数 一覧に並んでいるか 順位の箱 カテゴリを実態に合わせる/基本情報の一貫性/口コミを積む ② サイトへのクリック 並んだうえで選ばれたか 選ばれ方の箱 写真の中身/口コミの読まれ方と返信/紹介文の分かりやすさ ③ 通話・ルート検索 行動に移せたか 動きやすさの箱 営業時間の正確さ/予約導線/料金と初回の流れの見え方 ④ 実際の来店 お店の台帳で数える 地図の外の箱 電話・予約を受けてからの対応/来店後にもう一度の設計 ※ 上から順に見て、いちばん急に細くなった段で止める。その段の箱だけを触る。
段をまたいで手を打たないことが、切り分けのすべてです。表示が細いのに写真を増やしても、そもそも並んでいないので誰にも見られません。

実務でいちばん多いのは、①が細いのに②の箱を回し続けている形です。写真を増やし、投稿を続け、返信も丁寧にしている。どれも良い運用ですが、一覧に並んでいなければ、その丁寧さは誰の目にも触れません。手を抜いているのではなく、宛先が違うだけ——止まっている店舗の多くはここです。

「うちはどの段で止まっているのか」——数字を一緒に開けば、だいたいその場で分かります。無料相談では、4つの数字を出して落ちている段を特定し、次に触る箱を1つだけ決めます。

数字を見ながら、詰まりを特定する

混ぜない

順位に効くもの・選ばれ方に効くもの

ここを混ぜて語る解説が非常に多く、それが「やっているのに上がらない」を生んでいます。2つの箱は別物だと分けたうえで、どちらも回すのが正解です。片方を捨てる話ではありません。

順位に効く箱と、選ばれ方に効く箱 左に順位へ効くもの(カテゴリ、基本情報の一貫性、口コミの積み上がり)、右に選ばれ方や鮮度へ効くもの(写真、投稿、口コミへの返信)を並べ、順位が動かないときに右の箱ばかり厚くするのが宛先違いであることを示す図。 順位に効く箱 ・カテゴリを実態に最も近く ・店名/住所/電話の一貫性 ・口コミが途切れず積まれている Googleの説明でいう「関連性」と「知名度」に あたる部分。距離は自分では動かせない。 選ばれ方・鮮度に効く箱 ・写真(外観・内観・受付・設備) ・投稿を途切れさせない ・口コミへの返信 見つけたあとに選んでもらうための箱。 続ける価値はあるが、順位のスイッチではない。 順位が動かないときに右の箱を厚くする=これが「宛先違い」
右の箱を止める必要はありません。ただし順位を動かしたいときの打ち手は、左の箱から選ぶ。この対応だけ守れば、施策が空回りしなくなります。

口コミだけは、両方の箱にまたがります。件数と鮮度は順位の側に効き、書かれている中身と返信のしかたは選ばれ方の側に効きます。だからこそ口コミは「集める」と「返す」をセットで回すのが効率的です。積み方の具体は口コミの増やし方と返信のコツにまとめています。

読み方

業種平均と比べない、自店の前月比で見る

「表示は月に何回あれば普通ですか」「クリック率の目安は」とよく聞かれます。ここではあえて数字の目安を書きません。書けないからではなく、書くと判断を誤らせるからです。

地図の数字は、商圏の人口、駅からの距離、業態、競合の数、季節——このどれが違っても大きく変わります。同じ「整骨院」でも、駅前と住宅街では表示の桁が違います。そこへ出所のはっきりしない「業界平均」を当てると、十分に伸びている店が「足りない」と誤診され、伸び代のある店が「平均並みだから大丈夫」と放置されます。どちらも損です。

代わりに見るのは自店の前月比と、落ち方の形です。他店と比べるのではなく、先月の自分と比べます。判断に使うのは次の2つだけで足ります。

  • 形が変わったか——先月は表示が細かったのに、今月はクリックが細い。詰まりが下の段へ移ったなら、前回の打ち手は効いています。
  • 傾きがあるか——1ヶ月の上下は揺れです。3ヶ月並べたときに、狙った段が上向いているかを見ます。

この見方の良いところは、商圏の条件がどうであれ、そのまま使えることです。比較の相手が常に自分なので、外から持ってきた基準に振り回されずに済みます。

それでも動かないとき

上位に入らないときの、3つの点検

①の表示が細いと決まった。左の箱にも手を入れている。それでも動かない——という段階まで来たら、次の3つを順に見ます。どれも「やっているつもり」で抜けやすい箇所です。

表示がほとんどゼロのときは、その前に1つ確かめてください。順位が低いのではなく、プロフィールがそもそも地図に出ていないことがあります。オーナー確認が終わっていない、停止されている、重複したプロフィールがある、といった状態です。この場合は順位の話に入る前に、地図に出てこないときの切り分け方依頼する前に決めておく5つのことから先に進めてください。

1. カテゴリが実態とずれている

いちばん多い見落としです。メインカテゴリは実態にいちばん近い、いちばん具体的なものを1つ。幅を広げようとして曖昧なカテゴリを選ぶと、関連性が薄まって逆に並ばなくなります。サブカテゴリは、実際に提供しているものだけを足します。やっていないものを足すのは規約に反します。

2. 店名・住所・電話番号がそろっていない

自社サイト、予約サイト、ポータル、SNS——外に出ている情報の表記がばらついていないかを見ます。ビル名の有無、丁目の数字とハイフン、電話番号の区切り。細かく見えますが、同じ店だと確からしく伝わるかどうかの話なので、そろえる価値があります。移転や電話番号の変更のあとが特に危ないので、そこは重点的に。

3. 口コミが「途切れて」いる

件数はあるのに、直近が半年前で止まっている——という形です。キャンペーンで一気に集めて、そのあとゼロになると、集めた分がまとめて古くなっていきます。毎月少しずつ、無理なく続く動線のほうが強い。会計時の一言、LINEでのお声がけなど、日々の流れに埋め込むのが現実的です。

この3つを見ても原因が絞れないときは、見ている検索そのものを疑います。自分のスマホで検索した結果は、自店の近くにいるという条件が乗っているので、実際にお客様が見ている並びとは違うことがあります。Googleの説明でも距離は順位の要素なので、「自分で調べたら上のほうに出た」は、順位の確認にはなりません。数字はプロフィールの[パフォーマンス]側で見ます。

先に止める

やってはいけない切り分け

焦ると手が出やすい、けれど確実に損をする手です。どれも規約や広告のルールに触れるもので、うまくいっても一時的、悪くするとプロフィール自体を失います。

  • 店名に地域名や施術名を足す——正式名称以外を入れるのはガイドライン違反です。停止の可能性もあります。地域や強みは紹介文や投稿の中で自然に書きます。
  • お礼や割引と引き換えに口コミを頼む——対価をともなう依頼は規約違反です。景品表示法の面でも問題になります。
  • 星の数を指定してお願いする——「5でお願いします」は依頼した時点でアウトです。お願いするのは「よければ感想を」までです。
  • 良い評価の人にだけ声をかける——評価によって声をかける相手を選り分けるやり方は認められていません。
  • 同じ写真・同じ文章を使い回す——投稿の本数だけ増えても、中身が同じでは伝わるものが増えません。
  • ビフォーアフターの写真を載せる——整骨院・整体院・鍼灸院では、効果をうたう表現とみなされるおそれがあり使えません。外観・内観・受付・設備・スタッフの様子で伝えます。

共通しているのは、数字を早く動かそうとして、数字の元になっている信用のほうを削っていることです。地図は続けた分が積み上がる仕組みなので、削る手は必ず後で高くつきます。

仕組みにする

毎月の点検に落とし込む

切り分けは、思い出したときにやるものではありません。月に1回、同じ日に、同じ手順で回すから意味があります。かかるのは15分ほどです。

  1. 4つの数字を書き出す(表示/サイトへのクリック/通話/ルート検索)。期間の取り方は毎月同じに。
  2. 実際の来店数も並べて書く。地図の数字だけ見ていると、増えたのに来店が動いていないことに気づけません。
  3. いちばん急に細くなった段を1つ決める。先月と同じ段なら、前回の打ち手は届いていません。
  4. その段の箱から、打ち手を1つだけ選ぶ。2つ打たない。効いたかどうかが分からなくなります。
  5. 翌月、同じ4つを見る。判定は形の変化で。3ヶ月並べて傾きを見ます。

そして来店のあとまでを一続きで見ることが、この点検をいちばん割に合わせます。地図から来ていただいた方にもう一度来ていただければ、同じ表示回数から得られるものが変わります。入口の数字だけを追いかけていると、出口が漏れていることに何ヶ月も気づけません(リピート率を上げる、再来院の仕組み)。

毎月の数字を1か所に集めておくと、この点検はさらに短くなります。集めた情報を打ち手に還す考え方は身体系ウェルネスの集客×AIに、地図まわりの運用を任せる場合の判断はGoogleマップ集客(MEO)にまとめています。

出典:Googleビジネスプロフィール ヘルプ「Google のローカル検索結果のランキングを改善するヒント」(関連性・距離・知名度)/「ビジネス プロフィールのパフォーマンスとインサイトを確認する」([パフォーマンス]の見方)。2026年8月時点の記載にもとづきます。

ご相談の前に

切り分けの、よくあるご質問

投稿を毎週しているのに順位が上がりません。やり方が悪いのでしょうか?
やり方ではなく、宛先が違っている可能性が高いです。投稿や写真は「ちゃんと運営されている店だ」と伝わることや、見つけたあとに選んでもらうことに効きます。一方で順位そのものを動かしやすいのは、カテゴリを実態にいちばん近いものへ正しく設定すること、店名・住所・電話番号を一貫させること、口コミを途切れさせずに積むことです。投稿を止める必要はありませんが、順位を動かしたいなら別の箱に手を入れる必要があります。
数字はどこで見られますか?
Googleビジネスプロフィールの[パフォーマンス]から確認できます。オーナー確認が済んだプロフィールで、プロフィールに紐づくGoogleアカウントにログインした状態で見られます。上部で期間を選んで[適用]すると、その期間の表示回数やクリック数などのやり取りの数が出ます。毎月同じ期間の取り方で出し続けることが、いちばん大事です。
何ヶ月続ければ判断できますか?
数週間では判断しないでください。地図の順位は日によっても検索する場所によっても揺れるため、1〜2週間の上下は施策の効果ではなくただの揺れであることがほとんどです。同じ定義で毎月出して、3ヶ月ほど並べたときの傾きで見ます。動かないと分かったら、施策を足すのではなく、狙っている段が本当に合っているかを見直します。
口コミは何件あればいいですか?
「何件あれば大丈夫」という基準はありません。件数の目標より、途切れないことのほうが大事です。キャンペーンで一気に集めて翌月からゼロになる形は、増えた分がそのまま古くなっていくので、続けて積んでいる状態には見えません。毎月少しずつ、無理のない件数を続けられる動線を作るほうが結果的に効きます。件数の目標だけを追って、対価つきでお願いしたり星の数を指定したりするのは規約違反です。
表示は増えたのに来店が増えません。どこを直せばいいですか?
表示のあとの段を見てください。クリックが薄いなら、写真・店名まわりの見え方・口コミの中身など、一覧に並んだときに選ばれる要素です。クリックはあるのに通話や経路の検索が出ないなら、営業時間・予約導線・料金の分かりやすさなど、開いたあとに動けるかどうかの問題です。どれも出ているのに来店が増えないなら、地図の外、つまり電話や予約を受けてからの対応と、来店後にもう一度来ていただく設計を見ます。
整体院・鍼灸院・ピラティススタジオ・パーソナルジムでも同じ見方でいいですか?
切り分けの手順は同じです。4つの数字を出し、落ちている段を1つ決め、その段に効く箱だけを触る——ここは業態を問いません。変わるのは、地図にどれだけ力を割くかという配分です。整骨院・整体・鍼灸は地図が主戦場になりやすく、ピラティススタジオは地図とSNSの両輪、パーソナルジムはSNSが主戦場で地図は発見経路の押さえ、という置き方になります。呼び方も業態ごとに変わります(整骨院・整体・鍼灸はお客様やご来院の方、ピラティス・パーソナルジムは会員様)。業態ごとの違いは業態で変わるのは4か所だけにまとめています。

この記事を書いた人

守屋 大地|Knotlas(ノットラス)代表

整骨院をはじめとする身体系ウェルネス専門の集客・運用パートナー。Googleマップ・口コミ・SNS・AI検索という「新規の入口」と、LINEでの「再来店」を、AIを使って一つの運用にまとめています。地図の数字は「順位に効く箱」と「選ばれ方に効く箱」を分けて読む——毎月いっしょに数字を見ながら伴走しています。 運営者情報

どの段で止まっているか、一緒に

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