ピラティス・空き枠の見方

ピラティスの空き枠、集客を足す前に、
枠ごとの稼働を数える方法

定員制のレッスンは、満席の枠と、なかなか埋まらない枠に分かれがちです。体験の予約を増やそうと集客を足す前に、確かめることがあります。空いているのは、どの枠で、なぜ空いているのかです。

先に結論。スタジオ全体の稼働率ではなく、枠ごとに定員と参加を数え、空いている枠の原因を3つのどれかに分けます。そのうえで、体験の案内を寄せる枠を1つだけ選び、4週見ます。同時に2つ変えないことが、数字を読める状態を保つ条件です。

この記事は、レッスン枠の「見方」の話です。体験に来た方が入会しない場合は、その先の段の話になります(体験から入会しないときの切り分け方)。広告や割引の具体的な金額・相場には触れません。

原因の見立て

全体の稼働率だけでは、なぜ判断がつかないのですか?

稼働率を1つの数字にすると、満席の枠と空く枠が打ち消し合って、どこに手を打つかが見えなくなります。

ピラティスのレッスンは定員制です。平日の夜や土曜の午前は満席、平日の午後はほとんど入らない、といった偏りが出やすいと感じるスタジオも多いと思います。ところが、スタジオ全体の稼働率を1つの数字で見ると、「半分ちょっと入っている」という平均になり、どの枠に手を打つべきかが分からなくなります。

もう1つ、見えにくいのが、満席の枠の中身です。固定の会員で埋まっている枠は、体験の方を呼んでも入れられません。逆に空いている枠は、入れる余地があっても、その時間に来られる人がそもそもいないのかもしれません。同じ「空き」でも、原因が違えば打つ手は変わります。

つまり、集客を足す前に見るものは、どの枠が、どんな理由で空いているかです。

枠ごとの参加人数の違い 定員6名のレッスンを5つの枠で比べた棒グラフの模式図。平日午前は2名、平日午後は1名、平日夜は6名で満席、土曜午前は5名、日曜午前は3名。全体の平均は3.4名で、平均だけを見ると、平日夜の満席と平日午後のほぼ空きが打ち消されて見えなくなる。人数は例で、目安ではない。 全体の平均は同じでも、枠ごとに見ると埋まり方は大きく違います 定員6 2名 平日午前 1名 平日午後 6名 平日夜 5名 土曜午前 3名 日曜午前 平均(3.4名)だけを見ると「そこそこ入っている」。空きは特定の枠に集まっています ※ 人数は読み方を示すための例で、目安ではありません。
全体の平均では、満席の枠と空く枠が打ち消し合います。枠ごとに分けて数えます。

数え方

枠ごとの稼働は、どう数えますか?

曜日と時間帯ごとに、定員・会員の参加・体験の参加を分けて書き、4週ぶんを平均します。

準備は、レッスンの出席の記録を、枠ごとに見られる形にすることです。予約システムや紙の出席簿、どちらでも構いません。曜日と時間帯ごとに、次の表を埋めます。

枠定員会員の参加(4週の平均)体験の参加(4週の平均)合計埋まり方
平日午前(例)61.50.52.03分の1
平日午後(例)61.001.06分の1
平日夜(例)66.006.0満席
土曜午前(例)64.50.55.06分の5

※ 表の数字は読み方を示すための例で、目安ではありません。

見るのは3点です。

  • 会員と体験を分けて書きます。体験の方が入って合計が増えても、会員の参加が減っていれば、枠の使い方としては良くなっていないためです
  • 1回ではなく、4週ぶんを枠ごとに平均します。1回ごとの数字は、天気や行事、体調不良で動きます。束ねるあいだは時間割を変えません
  • 割合だけでなく、人数も書きます。定員が少ないスタジオでは、1名の差で割合が大きく動きます。人数で見ると、動きの大きさが分かります

キャンセルや当日の欠席は、分かる範囲で別に書いておきます。予約は入っているのに来ていない枠と、そもそも予約が入らない枠では、原因が違うためです。

出席の記録が、枠ごとに見られないとき

予約や出席の記録がどこにあるかを伺いながら、枠ごとの参加を数える形を一緒に整理します。

枠ごとの参加を、記録から一緒に数える→

原因の分け方

空いている枠の原因は、どう分けますか?

空きの原因は、①来られる人がいない ②会員で埋まり体験を入れにくい ③枠の存在が伝わっていないの3つに分けます。

数え終わると、空いている枠が見えてきます。次に、その枠がなぜ空いているかを、次の3つのどれに近いかで分けます。

原因見え方最初に確かめること
①来られる人がいない時間帯会員の参加も体験の問い合わせも、その時間帯にはほとんどない会員に聞くと、その時間帯は来られないと答える人が多い
②会員で埋まり、体験を入れにくい枠会員の参加は多く、定員の余裕が少ない。体験の人の席が確保されていない体験の希望が、この枠に集中していないか
③枠の存在が伝わっていない枠会員の参加は少なく、問い合わせで「その時間があるとは知らなかった」と言われる体験の案内にこの枠が載っているか。載っていても見つけにくくないか

③は、案内のしかたを変えるだけで動く余地があります。①は、集客を足しても埋まりにくい枠で、時間割そのものの見直しを考えることになります。②は、体験の受け入れ方(体験用の席を何名分とっておくか)を先に決めてから、集客を足します。

空いている枠の原因の、3つの分け方 空いている枠から3つに枝分かれする図。1つ目は来られる人がいない時間帯で、時間割の見直しを考える。2つ目は会員で埋まり体験を入れにくい枠で、体験の受け入れ方を決める。3つ目は枠の存在が伝わっていない枠で、体験の案内をその枠に寄せる。 空いている枠は、原因によって手の打ち方が変わります 空いている枠 ①来られる人が いない時間帯 ②会員で埋まり、 体験を入れにくい枠 ③枠の存在が 伝わっていない枠 時間割の見直しを考える 体験の受け入れ方を決める 体験の案内をこの枠に寄せる ※ 集客を足すのは、③と、②の受け入れ方を決めたあと。
同じ「空き」でも、原因で手が変わります。集客を足して効くのは、主に③です。

⚠ 空きを埋めるために、実際と違う表示をしません。実際には余裕があるのに「残りわずか」と見せたり、実際より好条件に見せたりする表示は、景品表示法で問題になることがあります。空きの案内は、その時点の実際の状況を書きます。

打ち手

数えたあと、何から手を付けますか?

空いている枠を1つだけ選び、体験の案内をその枠に寄せて、4週見ます。同時に2つは変えません。

数え終わると、あれもこれも直したくなります。けれど、同時に複数を変えると、参加が増えても減っても、どの変更の結果か分かりません。順番は次の通りです。

  1. ③に近い空き枠を1つ選ぶ。複数あれば、会員にとって来やすい時間帯のものから
  2. 体験の案内(HP・公式LINE・予約ページ)で、その枠を先頭に出す。体験の日時の候補は、その枠から選んでもらう形にする
  3. 4週のあいだ、時間割と案内を変えない。4週後に、その枠の体験の参加と、体験からの入会を見る
  4. 動かなければ、原因の分け方を見直す。③ではなく①だった可能性がある。次の枠に移るのは、その後

⚠ 注意が2つあります。体験が増えても、入会が増えるとは限りません。体験のあとの案内は別の段の話です(体験から入会しないときの切り分け方。パーソナルジムの記事ですが、体験から入会までの見方は共通です)。もう1つ、「この方法で空きが埋まる」と約束できるものはありません。数えるのは、手を打つ枠を1つ決める材料を得るためです。

記録の置き場

記録が散っているとき、どうしますか?

全部を一度につなげなくて大丈夫です。まず、枠・定員・会員の参加・体験の参加を1枚の表に、月に1回まとめられる状態を目指します。

予約システム、紙の出席簿、体験の申込フォームがばらばらだと、枠ごとの数を出すだけで半日かかります。最初は表1枚で十分です。

そのあとで、体験の申込と公式LINEをつなぎ、希望の枠が記録に残る形にすると、毎月つなぐ手間が減ります。つなぎ方はLINE公式アカウントの運用、地図と検索からの入り口はGoogleマップ集客(MEO)にまとめています。ピラティス全体の進め方はピラティスの集客・運用にあります。

ご相談の前に

枠ごとの稼働の、よくあるご質問

稼働率は何%なら良いのですか?
目安は置きません。定員、レッスンの長さ、料金の設計、会員数が店ごとに違い、出回っている数字も何を分母に数えたのか書かれていないものが多いためです。比べる相手は他店ではなく、自店の4週前と今です。同じ数え方で、空いている枠の参加が増えたかを見ます。
体験の方も参加人数に数えますか?
数えます。ただし、会員と体験を分けて書きます。体験の方が入っても会員の参加が減っていないか、体験のあとに入会したかを、あとで追えるようにするためです。
定員が少ない小さなスタジオでも、同じ数え方でいいですか?
同じです。定員が4名なら、1名の差で稼働が25ポイント動くので、1回ごとの数字では判断しません。4週ぶんを束ねて、枠ごとに平均して読みます。
「残り1枠」と表示して埋めてもいいですか?
実際の空きと違う表示はしません。実際は余裕があるのに残りわずかと見せると、景品表示法で問題になることがあります。空きの案内は、その時点の実際の状況を書きます。
空いている枠を割引で埋めるのは良い方法ですか?
この記事では扱いません。割引は、料金の設計や既存の会員との公平さにも関わるので、先に原因を3つに分けてから、体験の案内で試せることがないかを見ます。
パーソナルジムでも同じ見方ができますか?
できます。ただし、パーソナルジムは1対1が中心なので、定員ではなく担当者ごとの空き時間で同じ表を作ります。経路ごとの入会の数え方は、パーソナルジムの集客費用の見方にまとめています。

このページの根拠にした一次情報

この記事を書いた人

守屋 大地|Knotlas(ノットラス)代表

ピラティス・パーソナルジムを中心に、お店のWeb集客を支援しています。Instagramで知った人をGoogleマップと予約の導線で受け止め、公式LINEで体験から継続までの案内をつなぎます。公式LINEなど集客に使うシステムを自社で作っているので、中身と結果が画面で見えます。最終的には、オーナーご自身で集客が回る仕組みになるまで伴走します。 運営者情報

枠ごとの参加を、記録から一緒に数える

予約や出席の記録がどこにあるかを伺いながら、どの枠が空いているか、その原因がどれに近いかを整理します。手を打つ枠を1つ決めるところまで、あわせてお伝えします。

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